支出を支配する心理的要因とはなにか?

2021年5月15日

こんにちは、いのっちです。
今回の記事ではお金に対する人間の心理についていくつかご紹介しようと思います。支出を減らす為にも自分が潜在意識の中で何を思っているのか着目してみると、合理的な判断が下せそうですね。
それでは、本題に入ります。

なぜ人は、高い買い物をする時に判断を誤るのか?

例えばあなたは、大根を買うとします。徒歩5分のスーパーAで1本200円で売っていました。ところが、車で15分のところにあるスーパーBなら1本100円で売っていた。おそらく大半の人は多少の手間がかかってもスーパーBの100円の大根を買いに行くと思います。
ところが、今度は車を買うとします。徒歩5分の車屋Aでは300万100円でした。車で15分のところにある車屋Bに行くと300万円で売っていました。この場合、どちらで買ってもいいと思いますよね。
お買い得かの判断を、支払う金額の何パーセントになるかで判断しているんです。
例えば、1万円の物が5千円になっていれば50%割引されていてお得に感じますが、10万円の物が、9万5千円になっても5%割引と同じ5千円引きなのにあまりお得に感じなくなるんです。
この考えを、相対思考と呼ばれ商品の金額が上がるほど、この思考は強く反応するようになります。

特に住宅購入の際は、相対思考が現れやすいので注意が必要です。

旅行先では、お金を使いやすくなるのはなぜ?

皆さんは旅行は好きですか?筆者は好きです。ですが、どこへ行くにしても旅行先では普段より財布の紐が緩みがちではないですか?
それは、人にはそれぞれ心の会計がある為です。
1982年に日本の研究者が発表した資料によれば、小遣い一つにしても、女性は9つの「心理的出納袋(心の会計)」に分類されます。(下記図参照)

つまり、買い物をする際に品物が高いか、安いか判断する時に、買い物リストにあるすべての品物と比べて判断するのではなく、それぞれの出納袋のジャンル同士の品物と比べて判断するようです。
例えばリンゴの名産地へ行った際、リンゴをお土産にしようとしますよね。そこで売ってるリンゴは1個300円、地元のスーパーでは1個100円で買えるのに、お土産として1個300円のリンゴを買ってしまいますよね。地元のスーパーで1個300円のリンゴが売られていても買わないと思います。
これは、旅行先での買い物は、お出かけ用であったり贅沢用の出納袋の中から判断されるため同じリンゴを買う行為でも、旅行先と地元のスーパーでは判断基準が変わってくるんです。
それも、思い出になるので幸福感を得るために買ってしまうのは仕方ないと思いますが、お金を貯めるためには合理的な判断も必要になるんです。

心の会計先が違うことで、お金に対して合理的な判断が出来なくなるので、注意が必要。

高い買い物は幸福感を増す?そこには見落とされた落とし穴がある。

皆さんは、社会人として働き始めてから初めて高価な物(車や時計、ブランドバック等)を手に入れた時はどんな気持ちだったでしょうか?
とても幸せを感じたと思います。車なら毎週洗車し、時計はいつも身に着けていたはずです。ですが、時間とともにその状態に慣れてしまい、あまり幸せを感じなくなると思います。
これをヘドニック・トレッドミル現象といいます。
直訳すると「快楽のランニングマシン」。幸福を手に入れてもすぐに慣れてしまうので、どれだけ走っても本当の幸福は手に入らないんです。
但し、この現象、幸福だけに作用せずに不幸な事にも作用するんです。
例えば、車をぶつけてしまったら気分もへこみますよね。それでも時間の経過とともに慣れてしまい、結局直さずじまいだったりします。
つまり、幸福な出来事も不幸な出来事にも、人間は順応し慣れてしまうんです。

高価な物でもいずれは慣れてしまい幸福感に影響を与えない。

ヘドニック・トレッドミル現象を使って支出を抑えよう

この心理状態から、買い物により幸福感を得ようとすれば、常に高価な買い物を永遠に続けていくしかなくなります。
しかし、逆説的ですが、高価な買い物をしても慣れていくのであれば、初めから安い買い物で十分だという事が言えます。
例えば、服はブランドの新品しか買わない人でも、古着を買えばそれに慣れていくし、高級腕時計から安価な腕時計に変えても、結局はそれに慣れていくのです。
そうであれば、高価な買い物をする意味はあまりないのではないでしょうか?
支出を減らす為に、買い物は中古品やローコストの物へ切り替えてみてはいかかでしょうか?

安価な物でもいずれは慣れてしまい幸福感に影響を与えない

まとめ

いかがだったでしょうか?
・相対思考
・心の会計
・ヘドニック・トレッドミル現象
人間のお金に対する心理。面白いですよね。
この心理状態を知ることで、合理的なお金の判断が下せるのではないかと思います。
次回は、今までの記事とは視点を変えて人間のマインドについて記事にしたいと思いますのでお楽しみに。

Follow me!